初めてのデゴイチ、SLみなかみ号

2019年7月12日お出かけ

from:スタッフ三浦

つい先日、初体験をしてきました。
テレビで特集が組まれていたり、ネット記事で写真を見たりすると、ノスタルジックでいいなぁとは思いつつ、体験するまではいかなかったもの。
それに乗ってきました。

デゴイチ

僕が乗ってきたのは、群馬県の高崎駅から水上駅まで走る「SLみなかみ号」です。
この真っ黒な蒸気機関車のナンバープレートは「D51 498」。
通称「デゴイチ」と呼ばれ親しまれてきたこの機関車は、元々貨物用の汽車で、力が強いのが特徴です。
その力の強さを生かして、勾配のある山間部を走る旅客車両の牽引にも活躍したそうです。
長い期間、貨物列車として働き、旅行者の足となったそのデゴイチ498も、電気モーターで走る現代の列車の登場により役目を終え、1972年に引退。
その後は上越線の後閑駅で保管されていたそうです。
しかしこのままただの展示物になってしまうことはなく、1988年に埼玉県の大宮工場(当店事務所の近くです)で修理が行われ、運行本数は多くはありませんが、イベント列車として活躍しています。

高崎駅から出発します

今回、急にこの蒸気機関車に乗ってみようと思い立った理由、それは僕の息子(3歳)が「きかんしゃ、のるー!のるんだー!」と騒ぎ始めたから。
せっかくなので、群馬県に住む僕の両親も誘って出かけてきました。

高崎駅東口には大きなヤマダ電機があり、その駐車場は24時間営業しています。
お店が閉まっている時間帯でも駐車だけはでき、料金は1時間100円です。
また、ヤマダ電機で買い物をすると、駐車料金が何時間分か無料になります。
僕らの場合は、SLの旅が終わって帰ってきた時に、ヤマダ電機のレストランフロアで食事をして、2時間分の駐車料金が無料になりました。

高崎市はBOOWYメンバーの出身地

実を言うと僕の住まいは高崎線沿線で、高崎まで乗換なしの電車1本で向かうこともできたのですが、しかしずっと電車に乗りっぱなしなのも疲れてしまいそうで、特に息子が体力もたずにグズりだしそうなので、SL以外は車で移動することにしました。

高崎駅でSL乗り場を探します。
きっと何か特別なホームから出発するんだろう、そう勝手に思い込んでいたのですが、実際は改札を通って階段を降りたところの普通のホーム。
ごくフツーの2番線です。
しかしそのフツーのホームは何やらそわそわした人々で賑わっていました。
そちらへ向かって見ると、、、いた!デゴイチいました!
「きかんしゃー!きかんしゃー!」息子も大喜びです。

ホームには大勢の人がいました
一眼レフで撮りまくる人が何人も

SLの切符を持ってる人も、ただ写真を撮りに来ただけの人も、大勢が群がってカメラやスマホを向けていました。

運行日によって客車は2種類

基本的にこのデゴイチ「SLみなかみ号」が運行するのは土日のみ、高崎駅・水上駅間を1日に1往復し、全車両が指定席です。
乗客が乗る客車は旧型客車と12系客車の2種類があり、運行日によって使い分けられています。
どちらも4人がけのボックス席で、旅行気分を味わえる雰囲気があります。
この日、僕らが乗ったのは12系客車で、旧型客車に比べて新し目の車両です。
インテリアが木造の旧型客車に乗りたいなぁと、日程調整していた時には思っていましたが、旧型は旧型だけあって、冷房がないそうです。。。
この日は冷房の効く12系で良かったですね、暑かったですからね。

車両は古いがエアコン完備で快適

ちなみにこの日の運行時間は

  • 高崎発 9:56 → 水上着 12:03
  • 水上発 15:20 → 高崎着 17:13

でした。

乗務員さんがサービス良くて子連れにオススメ

高崎駅を出発して、石炭の黒煙を煙突からもうもうと吐き出しながら、高崎の住宅街をデゴイチが走り抜けていきます。
こんなに天気が良くて暖かいのに、沿線の家々は布団や洗濯物をきっと外に干すことはできないでしょう。
可哀想だねぇと言う僕の母親は、さすが家事をこなしてきた主婦目線です。

途中、渋川駅で機関車の整備を行うため30分ほど停車し、駅弁とアイスクリームの売り子がホームにやってきて、かなり旅気分になれます。
そして買い物をしない人は、この停車時間は記念撮影タイムです。
気づいたら写真を撮るための行列が既に出来上がっていて驚きました。
どうやらほとんどの人がこのSL旅行経験者のようで、次に何が起こるか把握している様子でした。
モタモタしていた初心者は僕らだけだったのかもしれません。

左端に見えるのは、記念写真撮影のカメラマン役を買って出る乗務員のお姉さん

また、土日のみ運行する観光列車だけあって、JRの乗務員もかなりサービスがいいです。
進んでお客の写真を撮ってくれたり、車掌の切符確認の時には子供におまけのカードをくれたり、特製缶バッヂがもらえるスクラッチくじを配って回ったりしていました。
運転手もサービス精神旺盛で、沿線で手を振る人に向けて汽笛を鳴らしたりして、みんな喜んでいました。

水上駅前がちょっと寂しい

片道約2時間かけて水上駅に到着しました。
帰りの汽車まで3時間ほどあります。
ちょうどお昼時なので、ここで昼食を取ろうかと思っていたのですが、温泉の町みなかみ、意外にも駅前が閑散としています。
お土産屋さんと温泉まんじゅうのお店が数件あるものの、少し駅から離れると、その風景はただの山道。
おそらく多くの人は観光バスなどで直接温泉旅館まで行ってしまうのでしょう。
駅自体も小さいですし、駅前がちょっと寂しいのも仕方ないことかもしれません。
結局タクシーに乗って、肉屋さんとレストランがくっついたお店へ向かい、食事をしました。
ハムとウィンナーがメインのお店でボリューム満点、美味しかったです。

肉屋さんの前の通りはただの山間部の道路

乗ったタクシーの運転手さんがとてもにこやかな人で、機関車のことや駅前のことを教えてもらいながら色々話していたのですが、その中で「えっ?帰りもSL乗るのかい?」と言われるまで全く気づかなかったんです。
普通の列車で帰ったほうが早いしラクだし切符が安いことに。
今こうやって帰りの機関車が出発する15:20まで待つ必要もなく、来た電車に乗れば帰れることに。。。

水上駅の転車台で待機していたデゴイチ

写真を撮りたい人は乗らない方がいい

しかし息子はSLに飽きた様子もなく、「きかんしゃー!」とテンションが高かったので、帰りもSLの切符を買っておいて、結果的には良かったですね。
窓から外を眺めていたら、三脚を立てて機関車を待ち構えているカメラマンを何人も見かけました。
やっぱり写真撮りたい人は乗らないよねぇ、、、外から撮りたいよねぇ。。。
僕は撮りたい人なのに、うっかり乗ってしまったので、ろくに機関車の写真は撮れませんでしたが、駅で停車中の写真があったので、少し載せておきますね。

わかったこと

  • みなかみと言えば温泉のイメージがあるが、水上駅前は意外と閑散としている。しかし温泉まんじゅうはうまい。
  • SLに乗るからと言って、行きも帰りもSLにする必要はない。むしろ帰りは疲れているので、普通の列車に乗って帰ってきた方が早くていい。
  • SLに乗ってしまうと走っている写真が撮れない。
  • 汽笛が鳴ると、乗っている子どもたちが一斉にマネして叫び出す。
  • 僕の親世代は子供の頃に当たり前に蒸気機関車を利用していたので、何か記憶がフラッシュバックするのかいろいろ表情が動いて面白い。
  • 今まであまり興味を持たなかったことでも、一度体験してみるとそれが面白いことに気づくことは多い。

p.s.
スプーンやフォークを自分で作ったことはありますか?
挑戦してみると意外と楽しくてハマりますよ。
自分で作った食器は愛着が湧き、お気に入りになります。